その②「要る?習いごと(続き)」
「稽古始めは6歳の6月6日」― そんな言い回しを聞いたことはありませんか。
これは、日本の伝統芸能の習い始めは数え七歳(満6歳)が最適であると、
室町時代に能を大成した世阿弥が『風姿花伝』で唱えたのが始まりだそうで、
それが他の芸事や歌舞伎にも反映され、台詞にもなり、稽古始めとなったとか。
その『風姿花伝』には、現代でも通用する教育理論書の側面があります。
例えば…
・この年頃になると、自然と始めたことの中にその子の得意なことがあるはず。
・まずは子どもの心のままに、やりたいようにやらせてみる。
・良い悪いを指摘して子どもがやる気をなくす、といったことがないように。
なるほど、なるほど。さすが世阿弥、深いですね。
先取り期待過剰で、ちょっと耳が痛いわ、という親御さんもおられるでしょうが、
私などこの言い回しを知っていたばかりに、息子の習いごとを6歳まで放置し、
えー?水泳は0歳からだと放っておいても泳げたって?!と後悔した口です。
「子育てには正解はない」はずですが、「時間は戻せない」のも事実なので、
どのタイミングで、何を習わせるか、親としては本当に悩むところですよね。
「でも、そもそも習いごとって、本当に必要なの?」
この本来最初に考えるべき問いは、実は脇に置かれて後回しになりがちです。
というのは、幼稚園や保育所のお友達は、もうすでに何か習い始めてるから。
それも一つじゃない!小学生ともなると、月~土、毎日放課後予定が埋まるって!
そう、周りを見てしまうと、親としてはとても焦りますよね。
でも、わが子の良いところを見つけ、じっくり伸ばしてあげたい。これも本音。
正解はないけれど、習いごとや趣味について、一つ確実に言えることがあります。
子ども親も幸せになれる、将来必ず生きるちからにつながる、一つのこと。
次回はそのお話です。