その②「会話の裏側にあるもの」
自分や相手への理解がより深まり、子育てを助ける手立てともなる「心理学」。
その中の一つ「交流分析」を用いて、心地よいコミュニケーションを目指しませんか?
単なる親子の会話にも、実は色々な思いが隠れていますよ、というお話の続き。
親「今日は何時ころ帰る?(時間が知りたいだけ)」 →子「7時ころかな(予想するだけ)」
親「今日は何時ころ帰る?(昨日遅かったよね?)」 →子「わからないよ(うるさいなぁ)」
親「今日は何時ころ帰る?(毎日何やってんの!)」 →子「…(無視しよう…)」
そうそう。どれもあるある。ですよね。
これらの会話は、前回ご紹介した書籍『子育てに活かす交流分析』からの抜粋ですが、
実は本の中で取り上げた会話は、私と友人たちの個人的な体験に基づいたものなので、
日常のさりげないやり取りですが、リアルな親近感をもって頂けるのではと思います。
もう一つ例を挙げておきましょう。ちょっと大げさで展開が早すぎる例ですが…。
親「宿題済んだの?」 ←〈引っ掛け〉=ゲーム開始!
子「今やるよ」 ←〈弱み〉=ゲームに乗る!
親「今って、いつから?(どうせやらないんでしょ)」 ←〈やりとり〉
子「これ見終わったらね(やりたくないんだよ)」 ←〈やりとり〉
親「終わったら次を見るでしょ(言うこときかないのね)」 ←〈やりとり〉
子「終わったらやるって言ってるだろ!うざいよ!」 ←〈きりかえ〉
親「なに、その態度?親に向かって言うこと?」 ←〈きりかえ〉
子「うざいからうざいって言ってんだよ!」 ←〈混乱〉
親「あーもう知らない!あんたなんか誰に似たんだか!」←〈混乱〉
子は「(やろうと思ってたのにお母さんのせいで宿題が終わらない)」という怒りと不安。
親は「(ああまた怒ってしまった、母親失格だ)」という抑うつ感。
親も子も、いつもおなじみのイヤーな感情で場面が終わる ― これも、あるある?