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  • 大下 真佐子
  • 2023年03月03日
  • 交流分析のお話

≪ 交流分析のお話 ≫  『子育てに活かす交流分析』‥1

その③「交流分析(TA)とは」

 

さりげない日常の会話の中にも、心地よさと後味の悪さが潜んでいる ―

前回そんな例を挙げてみましたが、そういうやり取り=交流を詳しく見てみましょう、

というのが交流分析(Transactional Analysis略してTA)という理論です。

 

カナダ生まれのアメリカ人精神科医エリック・バーンが始めた交流分析TAは、

精神分析の口語版とも言われ、人の複雑な心のあり様を分かりやすく説明しています。

人の心そのものは目には見えませんが、その構造を「自我・超自我・イド(本能)」や、

「意識・前意識・無意識」などの言葉で説明したものが、フロイトの精神分析です。

そして交流分析では、精神分析でいう「自我」に、下位の3つの状態があるとし、

それぞれに「親:P」「成人:A」「子ども:C」という呼び名をつけました。

自我=心はひとつだけれど、その中に3つの自我状態が存在するという考え方です。

さらに「P」は[支配的親/養育的親]に、「C」は[自由な子/適応した子]に分かれます。

でも、これだけでは何がなんやら??でしょうから、会話の例を挙げてみますね。

 

子どもが学校から足を引きずり顔を腫らして帰って来ました。

この時、皆さんはどうされますか?

 

①「親:P」の自我状態なら…

  ・支配的親→「誰にやられた?」「何かしたのか?」「学校は何をしてるんだ!」

  ・養育的親→「かわいそうに、痛かったでしょう」「すぐ病院に行こうな」

②「成人:A」の自我状態なら…

  ・「ケガはどんな具合か、病院に行くべきか」「どんな状況?いつこうなった?」

③「子:C」の自我状態なら…

  ・自由な子ども→「大変だ!どうしよう!」→「やり返してやるからな!」

  ・適応した子ども→「またやられたら怖いね」「我慢しようか」→「今に見てろ!」

 

自分だったらどれに近い対応をするか、ちょっと想像してみてください。 (続く)